最愛

今朝のあの扉の中の温度は800度らしい
やわらかさを跡形もなく灰にする熱風に言うことはない

いつもは全身で酔いしれるそよ風も
わずかに残るあなたを吹き去ってしまうのかと気でも違えそう

小さすぎる骨壺は冗談みたいに重く
腕の中で小刻みにずれる蓋がギリギリいう

あんなにうまく抱けたのに
こんなに小さくなったのに
うまく持てない、歩けない

かつては潤んだ瞳と流れた血が乾くほどにこみ上げる
いまだに潤んだ瞳と流れる血は巡るほどに止まらない

この空の下であらためて永遠を知る
誰もが吹かれ、常に幼く永遠に去る