野良猫

口ばっかり達者みたいね
騙され泣かされ捨てられて
夢うつつに逃げ惑ってる
同じところをぐるぐる廻り
現実から

なにが悲しくて なにが楽しくていくのか
雑踏にこの身を隠す 愛のない視線を抱く
〝好きなことばっかして生きられるとでも思ってるのかい?〟

あゝ もうなんにも聞きたくないわ
夜に溶け込んだ息遣いだけでいい
あゝ もう一杯飲み干せば忘れるんでしょ

はみだした口紅に笑って
泣き腫らした黒い目を蔑む
いつも裸で叫んでる
今出せる精一杯の声
誰か見つけて

愛を探してる どこかにあると信じて
暗闇が私を呼ぶ 手放しで喜んでる
〝あんたの悩みほど軽いもんはこの世にないわ〟

あゝ もうなんにも聞きたくないわ
夜に溶け込んだ息遣いだけでいい
明日の今頃はどこでおねんね?

このままどっか消えちゃっても
夜は明けるし世界は廻る
薄汚れた野良猫なんて気にもとめない
野良猫の野垂れ死になんて保健所がいやいや処理するだけ

手首にカミソリ滑らせちゃえば楽になるんでしょ
命より重いもんはこの世にないって本気じゃないでしょ
私の命ほど軽いもんはこの世にないわ
あゝ もう一杯飲み干せば忘れるんでしょ